マドリード州の修道院を巡るルート


ルートに含まれる場所や村々の景色

見学に一日掛ける価値のある、世界遺産のReal Monasterio de San Lorenzo de El Escorial(サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル王立修道院)は別として、ここではマドリード州で最も古く象徴的な存在である2つの修道院:Santa María de El Paular(サンタ・マリア・デ・エル・パウラール)王立修道院とSan Antonio(サン・アントニオ)修道院を見学するルートをご案内します。また、このルートでは、マドリード州北部にある山岳地帯とCuerda Larga(クエルダ・ラルガ)の山腹から生まれるロソヤ川とマンサナーレス川の上流域も訪れます。山間部の谷間には、何世紀から今日まで脈々と営みを続ける無数の農村が美しい景観を作り上げています。

マンサナーレス川の上流からロソヤ川の上流へ向かうには、ナバセラダ峠を通る道とLa Morcuera(ラ・モルクエラ)峠を通る道の2つの道程があります。いずれもお勧めですが、2つ目の道の知名度の方が低く、季節と天候による制約があります。

この地方に数多くある貴重な自然のスポットを満喫するには、この道程を数日掛けてゆっくりまわり、この地方の魅力を存分に味わってください。

Colmenar Viejo(コルメナル・ビエホ) [+]

レコンキスタ時代にセゴビアの人々の集落だったこの町は、フアン1世によってペドロ・ゴンサレス・デ・メンドサ氏に献上され、1514年以来、「町」として機能しています。盛んな牧畜業と、Manzanares el Real(マンサナーレス・エル・レアル)城やエル・パウラール王立修道院の建築に用いられた花崗岩の採石場で有名です。この町の見どころに、メンドサ家によって建てられ、現在では国有遺産である 《バロック様式のヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会-14世紀~16世紀》があります。内部には、多彩なルネサンス様式の堂々とした祭壇画(1574年作)が収められています。Soto del Real(ソト・デル・レアル)では、ロソヤ渓谷へ向かう何本ものルートからお好みのものを選んでください。

Manzanares el Real(マンサナーレス・エル・レアル) [+]

Castillo, Manzanares el Real(マンサナーレス・エル・レアルの古城)この村は、1247年、Pedriza(ペドリサ)のふもと、マンサナーレス川のほとりに、セゴビア出身の羊飼いたちによって築かれた集落でした。Castillo-Palacio de Manzanares 《マンサナーレス城塞宮殿-1417年~1500年》は、1931年より芸術的史跡に指定されています。一代目のサンティリャーナ侯爵の、イニゴ・ロペス・デ・メンドサ氏の命で着工し、プロジェクトの推進と完成はインファンタード侯爵の次の世代に引き継がれましたが、最終段階ではカトリック両王のお抱え建築家、フアン・グアスも起用されました。現在、その維持と見学はマドリード州によって管理されています。Parque Regional de la Cuenca Alta del Manzanares(クエンカ・アルタ・デ・マンサナーレス公園-4万6千ヘクタール)では、花崗岩の岩場の上空を、カタジロワシ、イヌワシ、ハゲタカなどが悠々と翼を広げています。公園内の解説センターでは、このマドリード州の誇る公園の、民族学的・環境的観点から見た特質に関する説明が展示されています。

Puerto de Navacerrada (プエルト・デ・ナバセラダ-1860メートル)

Valcotos(バルコトス)まで降りると、Parque de la Cumbre, circo y lagunas del Peñalara (クンブレ、シルコ・イ・ラグナス・デル・ペニャララ公園-768ヘクタール)への入口があります。ここから数キロ行った谷間に、エル・パウラール王立修道院があります。

Guadalix de la Sierra(グアダリス・デ・ラ・シエラ)

古くからいくつもの道の交わる集落だったこの土地には、アルフォンソ10世の命によってセゴビアの羊飼いたちが入植し、その後メンドサ家の所領の一部となりました(1389年)。Iglesia gótica de San Juan Bautista (ゴシック様式のサン・フアン・バウティスタ教会-1540年)にある聖母像は13世紀のものです。その山岳建築は、ルイス・ガルシア・ベルランガの映画、「ようこそマーシャルさん」-Bienvenido Mr. Marshall-(1952年)のロケ地に用いられました。

Rascafría(ラスカフリア) [+]

La iglesia parroquial de Rascafría, San Andrés Apóstol 《ラスカフリア教区教会、サン・アンドレス・アポストル-16世紀》は、ゴシック-ルネサンス様式の教会です。丸天井の下には、洗礼盤とVirgen de Gracia(ビルヘン・デ・グラシア像-13世紀)が収められています。

Real Monasterio de Santa María de El Paular(サンタ・マリア・デ・エル・パウラール王立修道院)

1390年フアン1世の命で着工しましたが、彼が突然亡くなった後はエンリケ3世が工事を引き継ぎ、隠遁用の小さな宮殿もつけ加えられました。1440年、カスティーリャ・イ・レオン王国の最初のカルトゥジオ会修道院として落成しました。1836年には、永代所有財産開放による明け渡しを迫られ、修道院は廃墟と化しました。それまでこの修道院は「カルトゥジオ会の大蔵省」の異名をとるほどの経済的・政治的な覇権を欲しいままにし、他のカルトゥジオ会の修道院の建設にも貢献していました。1954年以降はベネディクト修道会の手に渡り、現在維持と見学は彼らによって管理されています。

Real Monasterio de Santa María de El Paular(サンタ・マリア・デ・エル・パウラール王立修道院)修道院の栄光の過去は、今日でもあちこちに見ることができます。ゴシック様式は、旧回廊、優美な新回廊、食堂、教会中庭、主祭壇の祭壇画、フランドル特有の多彩な主祭壇の祭壇画などに見られます。礼拝所は見事なバロック様式で、彩り鮮やかな準宝石を散りばめた聖櫃が置かれています。El pabellón de Caza(狩り用のあずまや)と、ロドリーゴ・ヒル・デ・オンタニョンの扉から回廊へ入るエンリケ3世の館は、現在ホテルの建物の一部となっています。ロソヤ川に掛かるPuente del Perdón 《免罪の橋-15世紀》は、中世時代に「sexmo de Lozoya(ロソヤ地区)」の罪人達が、処刑される前に減刑や承認を受けた場所でした。Centro de Información y Educación Ambiental(環境教育情報センター)では、この地域の動植物相を学ぶための、テーマ別の散策やアクティビティのプログラムが用意されています。

Lozoya(ロソヤ) [+]

ロソヤは、他の渓谷の村落同様、レコンキスタの時代にセゴビア地方を脅かしていたイスラム勢力の進出を防ぐため、再入植で築かれた集落です。その輝かしい過去は、町並みやアーケードをほどこした広場、ルネサンス様式の住居やIglesia de San Nicolás (サン・ニコラス教会-16世紀)からもうかがわれます。

La Cabrera(ラ・カブレラ) [+]

Pico de la Miel (ラ・ミエル峰-1,391メートル)のふもとに誕生したこの村は、イスラム教徒たちが城を建築するのに利用した集落でした。Centro Turístico de la Sierra Norte "Villa de San Roque"(北部山脈観光センター「ビリャ・デ・サン・ロケ」)は、エコ博物館と植物園を備え、マドリード州の北部山脈に関する知識を深めるのに欠かせない場所となっています。

Convento de San Antonio(サン・アントニオ修道院)

かつてはSan Julián(サン・フリアン)修道院と呼ばれ、スペインにおけるクリュニー派のベネディクト修道院として最初に建てられた修道院のひとつでした(11世紀)。14世紀にフランシスコ修道会の手に渡ってからは現在の名前で定着しています。精神学の中枢として神学の大学であったこの地には、エンリケ2世、フアン2世、エンリケ4世、サンティリャーナ侯爵、そして自らの父をこの修道院に葬ったシスネロス枢機卿もたびたび訪れました。また、独立戦争中は監獄としても利用されていました。現在は、フランシスコ修道会によって経営と見学が管理されています。小さな修道院ですが、5つの後陣を備えた3つの身廊が、岩がちで凹凸の多い地盤に合わせて段階的に建てらています。類まれな景色を一望のもとにできる恵まれた場所にあり、それだけでも一見の価値があります。

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